いわき市工事請負代金債権譲渡の承諾に係る取扱要領
(趣旨)
第1条 この要領は、建設業者の工事資金調達の円滑化等を目的として、市発注工事の請 負者が、「公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度について」(平成 11 年1月 28 日付け建設省経振発第8号)に基づく下請セーフティネット債務保証事業(以 下「下請セーフティネット債務保証事業」という。)又は「地域建設業経営強化融資制度 について」(平成 20 年 10 月 17 日付け国総建第 197 号、国総建整第 154 号)に基づく地 域建設業経営強化融資制度(以下「地域建設業経営強化融資制度」という。)を利用する 場合に、いわき市工事請負契約約款(以下「約款」という。)第5条第1項ただし書きの 規定により、工事請負代金債権を担保として譲渡すること(以下「債権譲渡」という。) を承諾する場合の取扱いについて、必要な事項を定めるものとする。
(対象工事)
第2条 債権譲渡を承諾する対象となる工事は、請負代金額が 200 万円以上の工事とする。 ただし、次の工事は除くものとする。
⑴ 約款第 34 条第1項の前金払が行われていない工事
⑵ 約款第 37 条第1項の部分払が行われた工事(第3号アの工事については、最終会計 年度の工事に係る部分払が行われたものに限る。)
⑶ 次の工事を除く債務負担行為及び歳出予算の繰越し等工期が複数年度にわたる工事 ア 債務負担行為の最終会計年度の工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる
工事
イ 前年度から繰り越された工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事 ウ 債務負担行為に係る工事又は次年度に繰り越される工事であって、債権譲渡の承
諾申請時点において、次年度に工期末を迎え、かつ、残工期が1年未満の工事(地 域建設業経営強化融資制度に限る。)
⑷ その他請負者の施工する能力に疑義が生じている等債権譲渡の承諾に不適当な事由 がある工事
(譲渡対象者)
第3条 債権譲渡を行うことができるのは、市発注工事を受注した中小・中堅元請建設業 者(原則として資本金額若しくは出資の総額が 20 億円以下又は常時雇用する従業員の数 が 1500 人以下の建設業者をいう。)とする。
(債権承諾先)
第4条 債権譲渡先は、事業協同組合(事業協同組合連合会等を含む。)又は一般財団法人 建設業振興基金が被保証者として適当と認める民間事業者であって、中小・中堅元請建 設業者への資金の貸付事業(中小・中堅元請建設業者に対する電子記録債権(電子記録 債権法(平成 19 年法律第 102 号)第2条第1項に規定する電子記録債権をいう。)の発 行及び特定目的会社に対する電子記録債権発行に関する指示を含む。)を行う者(以下「組 合等」という。)とする。
(対象となる債権の範囲)
第5条 譲渡の対象となる債権の範囲は、工事が完成した場合において、約款第 31 条第2 項の検査に合格し、引き渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から既受領額及 び工事請負契約により発生する市の請求権に基づく金額を控除した額とする。ただし、 工事請負契約が解除された場合においては、約款第 46 条第1項の出来形部分の検査に合 格し、引き渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から既受領額及び工事請負契 約により発生する市の請求権に基づく金額を控除した額とする。
2 工事請負契約の変更により請負代金額に増減が生じた場合には、次条第1項第1号、 第2号及び第6条第1項に規定する書類の請負代金額、債権譲渡額は変更後のものとす る。なお、組合等と請負者の間の債権譲渡契約において、請負代金額に増減が生じた場 合には、遅滞なく請負者が組合等に変更後の契約書の写しを提出して通知することとす る。
(承諾の手続き)
第6条 組合等に債権譲渡しようとする者は、下請セーフティネット債務保証事業に係る 融資か地域建設業経営強化融資制度に係る融資のいずれかを選択した上で、組合等と連 署にて、次に掲げる書類を市長へ提出するものとする。
⑴ 債権譲渡承諾依頼書(様式1) 3通
⑵ 債権譲渡契約証書(様式2)(案) 1通
⑶ 工事履行報告書(様式3) 1通
⑷ 工事請負代金債権に係る確認書(様式4) 1通
⑸ 発行日から3ヶ月以内の請負者及び組合等の印鑑証明書 各1通
⑹ 保証人の承諾書(債権譲渡につき、保証人等の承諾が必要とされる場合のみ) 2 前項の依頼をすることができるのは、当該工事の出来高(第2条第3号アの工事につ
いては、最終会計年度の工事に係る出来高)が前金払が行われた金額以上に到達したと 認められる日以降で、約款第 32 条第1項に基づく請負代金の請求が行われていない時期 とする。
3 第1項の依頼は、次の各号に掲げる要件をすべて満たさなければならない。
⑴ 債権譲渡の目的が組合等から融資を受けるためのものであり、債権の譲渡先が組合 等であること
⑵ 当該債権譲渡が第三者による差押等を受けていないとともに、質権等の権利が設定 されていないこと
⑶ 当該債権が、既に譲渡されていないこと
4 債権譲渡承諾依頼書の提出があったときは、市長は第2条及び前2項の要件を確認の うえ、確定日付を付した債権譲渡承諾書(様式1)により承諾するものとする。
5 市長は、前号の規定による承諾を行ったときは、債権譲渡整理簿(様式5)により債 権譲渡の依頼及び承諾の状況を管理するものとする。
(下請保護)
第7条 請負者は組合等から融資を受ける際に、当該工事に関する融資申請時までの下請 負人等への代金の支払状況及び当該借入金の下請負人等への支払計画(支払状況・支払計 画書(様式6))を組合等に提出することとする。
2 下請セーフティネット債務保証事業に係る融資を選択した場合は、債権譲渡契約証書 は、下請負人等の債権の保護を図る内容を含むものとする。なお、請負者の倒産時等の 下請保護に関しては、請負者及び組合等が責任をもって行うこととし、市は関与しない ものとする。
(債権譲渡の通知)
第8条 請負者及び組合等は、第4条第4項の承諾を受け債権譲渡契約書を締結した場合 は、速やかに連署にて市長に債権譲渡契約証書(様式2)の写しを添えて債権譲渡通知 書(様式7)を提出するものとする。
2 工事請負契約に変更が生じた場合は、請負者は遅滞なく組合等に変更後の契約書の写 しを提出するものとする。
(被担保債権)
第9条 債権譲渡は、下請セーフティネット債務保証事業に係る融資にあっては、将来請 負者と組合等の間で締結する金銭消費貸借契約(工事請負契約を履行するための運転資 金確保のために行うもの)に基づいて組合等が請負者に対して取得する債権(以下「組 合等の貸付債権」という。)を、地域建設業経営強化融資制度に係る融資にあっては、組 合等の貸付債権及び保証事業会社(公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和 27 年 法律第 184 号)第2条第4項に規定する保証事業会社をいう。)が当該工事に関して請負 者に対して有する金融保証に係る求償債権を担保するものであって、組合等が請負者に 対して有するそれ以外の債権を担保するものではない。
2 請負者が、市との工事請負契約を完全に履行し、組合等が市から譲渡債権の全額を受 領した場合は、下請セーフティネット債務保証事業に係る融資にあっては、組合等は、 組合等の貸付債権への弁済に充当した残額を直ちに請負者に返還することとし、地域建 設業経営強化融資制度に係る融資にあっては、組合等は、組合等の貸付債権への弁済に 充当した残額を直ちに保証事業会社に支払い、保証事業会社は、残額から保証事業会社 の求償債権への弁済に充当し、なお残額があるときは、請負者にその残額を支払うこと とする。
3 地域建設業経営強化融資制度に係る融資の場合、保証事業会社が有する金融保証に係 る求償債権の担保に関しては、組合等が責任を持って行うこととし、市は関与しないも のとする。
(債権譲渡額の請求)
第 10 条 債権譲渡を受けた組合等は、確定した債権譲渡額の請求にあたっては、次に掲げ る書類を市長に提出するものとする。
⑴ 請求書 1通
⑵ 債権譲渡承諾書(様式1)の写し 1通(組合等の原本証明を付したもの)
⑶ 発行日から3ヶ月以内の請負者及び組合等の印鑑証明書 各1通
⑷ 債権譲渡契約証書(様式2)の写し 1通(組合等の原本証明を付したもの) 2 債権譲渡が行われた場合には、請負者は請負代金の請求をすることはできないものと
する。 附 則
この要領は、平成 16 年6月1日から実施し、この要領に規定する債権譲渡は、平成 16 年4月1日に締結した工事請負契約から適用する。
附 則
この要領は、平成 17 年5月 16 日から実施する。 附 則
この要領は、平成 21 年4月1日から実施する。ただし、地域建設業経営強化融資制度に 係る債権譲渡については、平成 33 年3月末日までの間に限り効力を有するものとする。
附 則
この要領は、平成 23 年4月1日から実施する。 附 則
この要領は、平成 25 年4月1日から実施する。 附 則
この要領は、平成 26 年4月1日から実施する。 附 則
この要領は、平成 27 年4月1日から実施する。 附 則
この要領は、平成 28 年4月1日から実施する。